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# 中途入社# マーケティング

大切なのは「マジ価値」。マーケターとして3つの「ない」を乗り越え、手にした答え

教育系大手に入社し、マーケに合計6年半携わっていた古部 洸介。さらなる成長を求め、たどり着いたのがfreeeでした。しかし3つの大切なマーケティングの要素が「ない」ことに気付き絶望。そんなとき古部を奮い立たせたのは、freeeの「マジ価値」という文化でした。

マーケターとしての成長を求めてfreeeに入社

▲前職時代、同僚と

2008年に大学を卒業し、教育系大手に入社した古部。社内向けの広報・IRを担当した後、子ども向けの教育や英会話のマーケに合計6年半携わっていました。

転職を考え始めたきっかけはマーケティングを専門分野にしようと決めたことでした。

古部 「マーケターって環境を劇的に変えるほど進化できると思っていて。同じ環境に居続けても、そのマーケットの視野しか持てないんですよ。自身の環境をガラリと変えることで、成長は加速します。RPGのように、どんどん武器が手に入っていく感じですね。

freeeに来たのもそういう気持ちの表れです。会計にもBtoBにも全然興味なかったんですが、だからこそ飛び込んだ方がいいんだろうなって感覚はありました」

カジュアル面談では、「スモールビジネスに携わるすべての人が、創造的な活動にフォーカスできるよう」というfreeeの当時のミッションをおもしろいと感じつつも、現実的な壁にぶち当たります。

古部 「スモールビジネスに挑戦していて、しかも『大企業と比較したら予算が潤沢ではありません』って感じだったので、無謀なことをする会社だなと思いました。マーケ的にも難しい。入って活躍できる気もしなかったし、会社としての勝ち筋も見えなかった。誰に面接を受けても、無理じゃね?って思ってましたね(笑)

でも話している人たちは情熱を持ってるし、目は輝いてるし、できると信じているので、面接を受けるうちに僕もそう思えてきました」

入社の決定打は、自分の中で何かに挑戦したい気持ちがあったからだと言います。

古部 「難しそうだからこそ転職する価値があるし、やってみたいと思いましたね」

ビジョンやミッションへの強い共感はもちろんありましたが、もうひとつの軸として自分の挑戦と成長がありました。

古部 「前職の先輩にはマーケターの層が厚くない業界で、自分の武器を生かして活躍すべきだと言われました。マーケティング的な考え方からすれば正しいし、市場価値が高まる領域で自分を売った方がいい。でも、それは今じゃないと思ったんです。優秀な人たちが、切磋琢磨する環境に身を置きたい気持ちが上回りました」

freeeに来てからずっと胃が痛かった。戦いを挑むのは、3つの「ない」

▲freeeでの業務中

マーケターとして成長するためにfreeeにやって来た古部。熱い想いとは裏腹に、ずっと勝ち筋は見えていませんでした。

古部 「自分の中で活躍できると思えなかったし、これをしたら勝てるんじゃないかってものも見つからない状態で入り、入社後も何も見つかりませんでした。めっちゃつらかったです。自信もなくなっていきました」

具体的にfreeeのマーケの何が難しいか弾き出してみると、3つの「ない」が浮かび上がりました。

古部 「まず1つ目は、前例がない。たとえばサイボウズさんのkintoneとか、アスクルさんって、BtoBの先駆者だけど、freeeはもっと難しいマーケットでもっと難しいプロダクトを売ろうとしています」

2つ目は、適切なマーケティング手法がないことです。

古部 「私の部署でターゲットにしてるスモールビジネスは全国におよそ162万社。これって、マーケットサイズがとても中途半端なんですよ。

たとえば脱毛なら女性全員がターゲットなので、日本の半分が潜在的に顧客になる可能性がある。だからテレビCMなどのマスマーケティングが有効ですよね。反対にtoBの大企業向けサービスだと数千社なので、徹底的にそこを抑えればいい。

ところが162万社って、一つひとつ抑えるには多すぎるし、その経営者にアプローチしようとしたら日本の人口の80人にひとりなので、マスマーケティングは効率が悪い」

3つ目はさらに致命的でした——。

3つの「ない」を超えたその先とは──「マジ価値」という企業文化

▲チームのメンバーと一緒に

古部「プロモーションコストがかけられないことは痛かったです。会計freeeは月々1980円からなので、一般的なtoB商材に比べると桁がひとつ違うくらい低価格。

じゃあ価格を上げればいいかもしれないんですが、freeeは『スモールビジネスを、世界の主役に。』というミッションを掲げているから、スモールビジネスにとって使いやすい価格にしたい。freeeってこの無理を通そうとしているんですよね(笑)」

これには理由がありました。

古部「セオリーだけで言うと、freeeのプロダクトってマーケだけで勝負して売らないといけないんです。もっと大企業向けに高単価の商材を売るのであれば、セールスコストをかけられるけれど、freeeはそうではない。

でも扱う分野が複雑な知識を必要とする会計である以上、マーケティングだけではなく、通常のSaaSよりもさらにセールス・カスタマーサクセスといった人の力も大切で……。ね、勝ち筋がわからないでしょ?(笑)」

3つの「ない」に気付き、絶望した古部。

しかし、周りの同僚や上司はマーケターとしてちゃんと利益に還元している。

それは一体なぜなのか。そう思ったとき「マジ価値」というfreeeの企業文化にヒントがあり、そこに3つの「ない」を突破する力があると発見。そこからみるみるうちに古部はマーケターとして活躍するようになりました。

古部 「会議とかで誰かの発言が何か違うなと思ったときはナチュラルに『それってマジ価値なの?』って言葉が出てくるし、それが最高のフィードバックです。『マジ価値』じゃないことって、世の中にたくさんありますよね。

たとえば映画館に行ったとき、ドリンクを買うために並ぶのってストレスじゃないですか?だから、普通に考えたら並ぶ時間をなくすのがマジ価値。でもこの前行った映画館では、以前よりレジの台数を減らして並ぶ時間がより増えていたんです。人件費削減が目的だと思うんですが、それだと結果的にお客さんが離れていく。人件費を削減しつつ、レジに並ぶ時間を減らす方法もあるはずなんです。

freeeは顧客のマジ価値にならない安易な方法を許さない。そういうカルチャーがあります。そのカルチャーがあるからこそ、マーケターも逃げ道がなく、強くなれる」

freee進化への加速の一助に──お客さんが求めるマジ価値を目指して

▲freee 9階にて

お客さんにとって「マジ価値」かどうか知る術は、たったひとつ。

古部 「顧客の声だけに集中します。間違っても数字じゃない。出発点を会社の利益とか、コスト削減にしたら間違えてしまうんですよ。というのも、数字を毎日追いかけると、つい数字中心になって顧客の現実から離れたり、会社の業績目線に陥ったりすることが多いんですね。

でも、それを許さないのがfreeeの『マジ価値』というカルチャーです。それが、マーケターとしていちばん大切な『顧客にとっての価値』からスタートしてマーケティングを考える力を鍛えてくれます。

ユーザーにとって本当に価値を届けられれば、それが結果的にコスト削減や売り上げアップになるんじゃないかと」

マーケターにとってハードルは高いけれど、だからこそfreeeをいい環境だと言い切る古部。

古部 「freeeは自由にやらせてくれます。マーケターって自由度が高いほど成長できるし、成果を上げやすい。だからfreeeがマーケターにとって最高の環境です。

一方で、自由にできるからこそ、責任とプレッシャーもともなう。だからこそ、胃が痛くなることもあるし(笑)。逆に胃が痛くならないような仕事をしているのであれば、マーケターとして成長できていないと思います」

従業員が1〜20人の法人向けのマーケティングをしている古部。具体的な業務内容は、広告のほか多岐にわたります。

古部 「ダイレクトマーケティングやバズによる認知拡散を狙った企画立案、タクシー広告に至るまで、あらゆることをやっていますね。またグロースハックと呼ばれるプロダクトの体験改善も行っています」

自分の成長を求めてfreeeに入社した古部は、時がたつにつれ、いろいろなことを経験する中でユーザー目線になり、視野が広くなったと言います。そんな彼が描く未来とは──

古部 「まずはfreeeの進化を加速できるレベルの人材に早くなりたい。freeeの成長に自分の成長がまだまだ遅れをとっていると感じているので、もっともっとマーケティングに夢中になりたいですね」

古部の挑戦は、これからも続きます。