「マジ価値」を伝えるために──転職先で得たチーム思考とお客さん思考
キャリアプラン実現に向けての転職活動中に出会ったfreeeに惹かれ、2018年2月に入社した西川 恭輔。2020年4月現在、カスタマーマーケティングを中心にさまざまな業務に取り組んでいます。ここでは成功と失敗を繰り返しながら、成長していく西川の想いをひも解きます。
キャリアプラン実現に向けての転職活動
▲2018年、freee入社
前職で、中古車のマッチングサイトを運営する企業に5年間ほど在籍していた西川。
2013年に入社し、初めの2年間は見習いWebディレクターとして業務を行い、その後3年間はSEOをメインに、複数のサイトのWeb改善・SEO改善・オウンドメディア運営などに従事しました。
西川 「新卒入社した会社で最初の2年くらいは自分の頭で考えて行動しておらず、言われるがままでした。その後異動しても、すぐには行動は変わらず……。
その結果、目標設定や人への感情のアプローチが全然できず、担当プロジェクトは崩壊してしまいました。この経験から自分を見つめ直し、キャリアプランや自分の生き方の指針を考え始めたんです」
幸い上司にも恵まれ鍛えてもらったこともあり、西川はビジネスパーソンとしての基礎を徐々に構築していきます。とくに最後の1年は、大きなSEOプロジェクトを任せられ、幅広い業務を担当しました。
西川 「上司と連携し、かなり幅広く担当しました。そこでの経験と成功体験が、今の自分の強みになっています」
しかし、キャリアプランをしっかり立てた結果、なりたい自分と現実との壁を感じ始めます。
西川 「当時の目標は、35歳までにお金に困らないくらいの市場価値を持ち、40歳までに自分で事業をつくれるようになることでした。しかし、今の延長上に目標達成があるのか疑問を持ったのです。そこで転職活動を検討し始めました」
キャリアプラン実現に向けての転職活動。自分に必要なものをふたつ、軸に定めました。
西川 「私の求める条件は『事業をつくる上でリーダーに求められるマインド』、『ボトムアップな組織構築に必要なマインド』のふたつを学べること。
これまでプロジェクトでボトムアップのチームにしようとしても、トップダウンのチームになってしまったんです。それゆえ、事業をつくるには心の底から湧き上がるような熱量があり、その上で人を巻き込む力がないとうまくいかないと思いました」
freeeを知ったのは、転職サイトでのスカウト。入社を決めたのは、自分が学びたいこととfreeeで得られそうなことがマッチしていたからだと言います。
西川 「『スモールビジネスに携わるすべてのひとが創造的な活動にフォーカスできるよう』という当時のミッションが壮大にもかかわらず、本気で実現しようという熱と具体性を感じ、ものすごく惹かれました。
大きなスケールのミッションを本気で掲げ、人を巻き込みながら成長していく姿と、ボトムアップでつくられた組織。どちらも自分のメンタリティの在り方を変えてゆくのにピッタリだと思いました」
主語が“自分”じゃダメだと気付いた
▲freee9階フリースペースにて業務中
2018年2月にfreeeに入社した西川は、アドバイザー事業部のマーケティングチームに配属されます。
そこで税理士検索freeeという、freeeを使えるアドバイザーの皆さまと、ユーザーさんをマッチングできるWebサイトの運営を担当しました。
西川「freeeでいうアドバイザーとは、freeeのミッションである『スモールビジネスを、世界の主役に。』に共感いただいた、スモールビジネスに対して付加価値を与えられる人を指しています。主に、税理士さんや会計士さん、社労士さんなどです。前職でも中古車のマッチングサイトを運営していたので、担当を任されました。
会計知識に関するインプットは今も常に勉強中ですが、本を読んだり、商談を聞いたりする中でキャッチアップしました。また税理士事務所に留学し、実際の業務を二日間見学したのも大きかったですね」
しかし半年後、freee内部で方針転換があり、そこで西川は大きな失敗をしてしまいます。
西川 「結果を出すことに焦っていたこともあり、担当サイトのリニューアルプロジェクトを強引に進めていきました。そのときにSEO関係で年間の大型契約をしてしまったんです。そのタイミングでは問題なかったのですが、半年後に体制が変わったとき、僕の契約のせいでチーム全体の予算を圧迫してしまい、他の施策を打てなくなりました。
ベンチャーって日々状況が変わるのに、そういったことをまったく意識できていませんでした。結果として協力会社様にもfreeeにも迷惑をかけてしまったのです」
この大きな失敗は西川にダメージを与え、次第に塞ぎ込んでしまいます。そこから立ち直ったきっかけは、プライドを捨てたことでした。
西川 「当時の私は初めての転職で自分のキャリアをよくしたい想いから、成功事例をつくることだけにフォーカスしてしまいました。そして、完全に目の前の業務にこだわり、全体状況の把握を思考から放棄していましたね。しかし本質的な価値をつくるためには、主語が自分じゃなく、freeeでもなく、ユーザーであるべきだと気付いたんです」
また社内コミュニケーションでも、プライドが邪魔していた部分があると言います。西川は周りの意見を聞かず空回りしていたのです。
立ち直るきっかけは、同じチームのメンバーからのフィードバックでした。
西川 「freeeではピアレビューという360度評価の制度があるんですが、チームメンバーからのレビューを見ると『自分の意見が強すぎて、ときおり本音を言えない』と、みんなが書いていたんです。ハッとしましたね。これじゃ前職時代から何も成長していないじゃないかと自分を恥じました。それからは自分の意見以外もちゃんと受け入れようと、常に意識するようにしたんです」
失敗を経て、カスタマーマーケへ
▲チームオフサイトの帰り道
失敗経験を経て、フィードバックを素直に受けるようになった西川。
しだいに任される仕事が増え、税理士検索freeeに加えて、税理士紹介サービスも担当するようになりました。
さらに2019年4月からは、カスタマーマーケティングにも従事。以前よりチームで物事を動かすようになったので、オペレーションまで考えるようになりました。
西川 「新規にfreeeを知ってもらい認定アドバイザーになってもらう獲得マーケティングと違って、カスタマーマーケティングはすでにfreeeを活用しているアドバイザーさんがお客さん。freeeには認定アドバイザー制度があって、2020年4月現在認定されている方 が7900人います。
彼らにfreeeの最新情報をキャッチアップしてもらったり、freeeを広めてもらうお手伝いがしやすくなるよう、情報を提供したり。税理士さんたちが抱えているエンドユーザーさんまで、freeeの価値がしっかり伝わるようにしています」
カスタマーマーケティングのチームとしては、具体的には3つの機能があると言います。
西川 「1つ目はfreeeの価値をしっかり伝えること。7900人の認定アドバイザーさんの中には『まだまだfreeeを使ったらどんな風に変われるのか』成功のイメージがついていない人もたくさんいます。そういう人に成功事例のまとめを届けるといった、情報提供をする。またセミナーを開催するなど、freeeの考え方を知ってもらうきっかけを与えられるようにしています。
2つ目は、アドバイザーガイドというfreeeのヘルプページや活用ガイドブックなど、具体的な活用情報を届ける取り組みをしています。わからないにもフェーズがあるので、相手に合わせてタイミングよく情報を届けるのが重要ですね。
3つ目はマッチングです。アドバイザーさんとエンドユーザーとの間に入って、より良い化学反応が起こりそうな両者を仲介しています。エンドユーザーの方の地域や業種、依頼したい内容にあわせて、どんなアドバイザーさんが合うかを選定していきます」
幅広い機能を持っているカスタマーマーケチーム。西川は「チームとしてどこにフォーカスしていくか」、「どのように施策を投下していくべきか」の意思決定を行うことをメイン業務にしています。
freeeに共感してもらって、世の中に広めてもらいたい
▲2020年現在
西川 「freeeで成長できたのは、相手をリスペクトしながら仕事に取り組むことの重要性を学べたからだと思います。自分の考えにこだわるんじゃなくて、相手の意見や選択肢を否定せず、受け入れて、それからプラスワンしてまた考えるようになりました」
freeeに入社を決めたのは、自身のキャリアプランと合致していたためでした。しかし成長を通して、大切にするものが変わってきたのです。
西川 「今はカルチャーを一番大切にしています。freeeのモットーは『マジ価値を届けきる集団』。仕事面ではお客さん思考で考える『マジ価値』を大切にしているんです。また社内では、僕自身がフィードバック等にも助けられている『あえて、共有』するの文化ですね」
さまざまな成長を通して自分と、そしてfreeeと再び正面から向き合った西川。
アドバイザー事業部は大きな変革期にきていると言います。
西川 「昔はアドバイザー向けのプロダクトを広めることを重要としていましたが、2020年現在はアドバイザーさんがfreeeに共感し、『世の中に広めていきたい』と感じてもらえることが重要だと思っています。そのためには、アドバイザーの皆さんに心からfreeeをいいなって思ってもらわないといけない。だからカスタマーマーケとして、余すところなくfreeeの価値を伝えたいですね」
個人としても、freeeで実務を行っていく中で、入社時に学びたいと思っていたことも段階を踏んで学ぶ機会が増えていくと感じていました。
西川 「事業部の状況をしっかりと把握し、本当にあるべきことは何かということをきちんと考えて、その実現に向けてさまざまな手段で着手することが大切ですね。だから今は、担当している領域でしっかりと成果を残すことにコミットしています。
成果を出すには当たり前ですが、アドバイザーの皆さまがどんなことを望んでいるかを徹底的に検証し、適切な情報を適切なチャンネルで届けていくことが重要だと思っています。まだまだやりきれていないことや、仮説を高い確度で持てていないことが多いので、チームを巻き込みながら、一つひとつコツコツと取り組んでいきたいです」
カスタマーマーケとして真摯にお客さんと向き合う西川。freeeのよさを伝えるために、これからも成長していきます。