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# 中途入社# セールス# マネジメント

「人生賭けて世の中を変える」- 40年間変わらない経営インフラに挑戦する高村の軌跡

「世の中を変えたといえるインパクトあることを、人生を賭けてやりたい」と語るのはセールスチームの責任者、高村大器。
自分自身やチームの課題をその都度乗り越え、いかにしてチームの規模を30倍にしたのか。その軌跡を振り返ります。



世の中を変えたいから、変えようとしてる会社に行く

▲ 数年前、猫と遊ぶ高村

教育業界を変えるため、教師になろうと考えていた高村。しかし教育実習を通して、教壇からでは目の前にいる人数しか救うことができないと気が付き、就職活動に切り替えます。

高村の始めた就職活動は豪快なものでした。

高村 「今から受けることができて、優秀な人がごろごろいそうなところを片っ端からリストアップし、面接を受けました。ある IT企業が『優秀なやつしかとらない』『0→1をできる人間を育てる』『無限採用します』と言ってて、説明会を聞いた中で一番おもしろそうだなと思って、刺激を求めて入社を決めました」

前職で3年働いたのち、退職と同時期に自分の人生について本気で向き合い、山の中のホテルにこもったこともありました。

高村 「人生を棚卸しして、3歳くらいからの記憶を全部たどりました。自分はどういうときに喜びを感じ、何に刺激を感じて来たのか。これから何したいのか本気で考えました。そこで気が付いたのは、自分が関わったことでコミュニティやチームが変わることに喜びを感じてきたということ。

これからはその規模を大きく、世の中を変えたといえるインパクトあることを人生を賭けてやりたいと思いました。でもそれが何か、具体的に答えは出なかった。だから変えたいと思った何かに当たったときに、変えられる人になりたいと思ったんです。だから世の中を変えようとしている会社に行こうと決めました」


そんな想いを持ち、エージェントに勧められたのがfreeeでした。

高村 「行くだけ行ってみるかって想いで面接に行きました。カジュアル面接は『めちゃめちゃ楽しく仕事のこと話すな!』という印象でした。さらに面接が進んでも、会う人がみんな前のめりで、生き生きしながら話してくれました。

その裏には、何か理由があるんじゃねーかと思ったんです。そこでちゃんとfreeeのことを調べたら、プラットフォームをつくろうとしてることがわかり、ただ単に会計ソフトをつくりたい企業じゃないんだと、楽しそうな理由が腑に落ちました」


freeeに決めた理由は人と業務内容だけでなく、freeeのカルチャーにも関わっていました。

高村 「ー事業のスケールも大きくて、組織づくり・カルチャーづくりにもここまでコミットしている会社は、僕が見た範囲ではfreeeしかなかったんです。世の中が変わってくような事業をしたいと思っていたので、それに本気で取り組もうとしているfreeeに入ろうと決意しました」



失敗、freee基幹事業の芽吹き

▲ 入社後、初めて登壇する高村



2016年2月、freeeに入社した高村。最初に配属されたインサイドセールスでは、1カ月で当時の社内最高記録を抜きました。それからすぐに立ち上げフェーズのアドバイザー事業部に異動し、リーダーとしてチャットセールスに取り組むことに。

高村 「『ここのリーダー僕にやらせてくれ』って言って、アサインしてもらったんですけど、大失敗しました。原因は完全に自分の働き方でしたね。 自分で考えてアウトプットすることが好きで、それにとらわれてしまったんです」

2カ月後、そんな高村に声をかけたのは当時のジャーマネ。freeeではマネージャのことを、“タレント”であるメンバーを叱咤激励し、成長・活躍をサポートする役割であるという意味を込めてジャーマネと呼んでいます。

高村 「1on1でひと言『クローズなんだよ』って言われました。なんで優秀な人が周りにいるのに使わないのか聞かれ、そこで初めて人に聞くという選択肢に気が付されました。今では何かアイデアが出たら一瞬で壁打ちするんですけど、この経験が糧になっています」

さらに異動し、今度は中堅法人向け事業の立ち上げを任された高村。このチームは、のちにfreeeの基幹事業になります。

高村 「当時の会計freeeは個人事業主やかなり小さなスモールビジネス向けにやってたので、30人規模の会社に導入するのも大変でした。しかも、導入してくれた会社が成長して規模が大きくなると、freeeを卒業してしまってたんですよ。

原因はfreeeのプロダクトが対応できていなかったこと。スモールビジネスを支援したいのに、支援して成長すると解約してしまう。そんな矛盾に陥ってました」


チームの立ち上げをふたりで任された高村が最初に行ったことは、ヒアリングでした。

高村 「プロダクトをどういう方向に開発すればいいか指針を決めるため、営業先でどんなものなら使いたいかしゃべってもらいました。

もちろん導入を目指して提案もするんですが、まったくうまくいかない。そこで気が付いたことは、今まで個人事業主やかなり小さなスモールビジネス向けに提案していたfreeeのメリットは、相手にとって価値じゃないということでした」


高村が気がついたのは、今まで提案していた中小企業と、中堅企業の変化の速度の違いでした。さらに掘っていくと、根深い問題を発見します。

高村 「大きい会社や業界って変化が遅いんですよ。会計ソフトでは、かなり昔のものをそのまま使っているところが多かった。もちろんアップデートはされてるけど、本質的な意味でのイノベーションは40年近く起きていなかったんです。

だから経理の人の考え方も、もちろんアップデートされていないことが多くて。そこに単にfreeeのような新しい考え方のクラウドサービスを提案しても、導入してくれるわけがないんです。

まずはなぜ変わるべきか話して新しい気づきを提供し、どうやれば変わっていけるかを一緒に考える。提案を本質的なものにしていかないと、転換にはつながらない。そこで社内では提案のやり方など、チーム外の人に相談しまくりました。提案の仕方を変えてから売れたのは2カ月後。やっとあげた成果にテンション上がりました!」


なんで俺、ジャーマネじゃないの?

▲ 社内初のセールス表彰イベントでは、グランプリを受賞



高村 「チームは拡大し、僕はずっとトッププレイヤーだったんです。でも、どれだけ成績を伸ばしても、ジャーマネになれなかった。かなり売ってたし、教育も好きだから営業スキルを新しいメンバーに移管することもできていたので、意味がわからなくて。

そこで役員の野澤に『なんで俺、ジャーマネじゃないの?』って聞いてみたんです。しかし1on1で言われたのは、『周りがこの人になってほしいって思ってる人が、自然と勝手になるんだ』ということでした。

そのとき気がついたんです。僕はセールスとして認められてただけで、この人と一緒に働きたいと思ってもらえる位置にはいなかったことに。かなり凹みましたね」


当時のジャーマネにもかなり手伝ってもらい、自分の行動やチームに接する姿勢を振り返る中で、いろいろと反省点が見えてきました。

高村 「自分なりの営業手法ができ上がってたために、僕のやり方を押し付けていることに気がついたんです。そこで『相手のことを考える』ことを、自分の中の目標に定めました。

またあいさつや笑顔も心がけました。そういう行動の変化があったことで、ちょっとずつ周りも認めてくれたのかなぁと思います」


内面の変化から1年。ジャーマネになった高村は、チームのメンバーがさらに増える中で、お客さんに価値を届けきれてないと感じることが多くなりました。そこで新たなチーム内プロジェクトをしかけました。

高村 「若いメンバーが多く、提案のレベルに伸びしろが大きかったんです。そこでマジ価値を届けられるようになることを目的とした試みを始めました。それが『守破離プロジェクト』です。内容は勉強会というより研究会で、メンバー同士でディスカッションをしてお客さんに価値を届けるための提案を出し合います。おのおのが明日から試したい気づきを持ち帰ることをゴールにしてるので、新しいアイデアが次々生まれました。

守破離プロジェクトでは言語化を大事にしてて、メンバーにも言語化言語化って言ってますね。想いもそうだし、何を大事にしたいかの言語化、営業としてのスキルの言語化、やっぱり言語になるまで落とし込めないとダメだとは常日頃から思っています」


このプロジェクトをきっかけに、大まかにひとり当たり平均売上が1.5倍上がり、大きな成果が得られました。



freeeのミッションのためにセールスができること

高村が立ち上げたチームは30倍になり、会社の屋台骨になりました。そして今また、新しい課題に直面しています。

高村 「成長意欲を持ってる人は新卒や中途の若いメンバーが多いので、このままだと僕が天井になってしまいます。

現状、freeeの中でたたき上げられてジャーマネになってる人が多いんです。それってある意味、freeeの文化しか知らない。一気に世の中を変えるために一段と加速しないといけないチームなので、もっと多様なリーダーシップが必要なんです」


これからまだまだ大きくなる予定のセールスチーム。成長組織のマネジメントをする意味は大きいと言います。

高村 「成長組織と非成長組織のジャーマネって全然違います。成長組織は人もどんどん入ってくるし、マーケットも日々変わっていく。市場もしくみも自分でつくらないといけない。事業や組織が伸びるにつれ成長痛は必ずあるけれど、それを自分で解決してチームを引っ張ってく経験は、成長組織でしかできないなと思います。

40年変わってない業界だから、できるだけ早く便利にした方が世のため人のためだと思います。でもスピードを上げるためには、まだそういうことができるリーダーが足りないんですよ」


お客さんとなる中小企業にもいろいろあり、その中でも実力を発揮できていないところにfreeeを使ってほしいという想いがあります。

高村 「中小企業でも世界で通用してるトップランナーもいっぱいいます。でも本当は通用する実力があるのに、経営管理がうまくいってないから本来の力を発揮できていない会社も多い。そういう企業を押し上げていくのが僕らのミッションだと思います。

知らないだけとか、できないだけでポテンシャルが発揮されないのって、もったいないと思うんです」


そのために、セールスが大事だと言います。

高村 「まだfreeeがスタンダードになってない業界もたくさんあるんですよ。そこに対する価値の提供の仕方を、これから来る新しいメンバーやジャーマネが見つけてほしい。

成功例をつくるまで責任があると思っています。すると他の何万社もそれをまねすればいいじゃないですか。だからこそ売れるセールスマネージャーじゃなくって、マーケットをつくれるセールスマネージャーと一緒に働きたいんですよ。

CEOの佐々木も『仮にどれだけ売れたとしても、ただの成功した会計ソフトの会社で終わってしまったらそれは失敗だ』と言っていて、本当にそうだなと思います。 少なくとも7〜8割がクラウド化したら、経営管理が変わり、それにともなって人・時間・お金の使い方も変わるでしょう。今よりもっと事業の本質的な部分にフォーカスできる時間が長くなり、意思決定の精度も上がります。

それによって企業の成長が早くなると最高ですね。そんなスモールビジネスの経営インフラをつくるために価値を届けていきたいなと思います」


“世の中を変えたい”。強烈な志を胸に、今日も高村は躍進します。