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# 中途入社# セールス

前職の挫折をfreeeで克服した──成長産業を渡り歩いたセールスが語る新たな挑戦

2020年5月に入社した田中 彼方。彼女の現在の業務は、上場企業に向けてfreeeのプロダクトを売り出すことです。新卒から一貫してセールスの道を歩んできたそのキャリアでは、何度も挫折や失敗を味わい、その度に成長してきました。

成長産業に身を置くことで、自身の成長を目指す

(前職時代のメンバーと。田中は右端)

「人生の岐路において相談に乗るなんてめっちゃ良くない?」——就職活動中、キャリアコンサルティングの仕事に憧れを抱いた田中 彼方は、そのキャリアを人材業界で始めます。

田中 「新卒で人材紹介を行う企業に入社し、営業部に配属されました。人材を確保したい企業に出向き、課題をヒアリングして、自社のデータベースから合いそうな人を紹介していたんです。

そのうち候補者の方の相談に乗るキャリアコンサルティングもやるようになり、充実した時間を過ごしていました」

新卒入社から約10年間で、営業やキャリアコンサルティングの組織のマネージャー、エグゼクティブ向けの採用支援など、様々な経験をした田中。

日々業務に励む中、田中はある種の閉塞感を覚えたことから、転職を決意します。

田中 「入社当初は、人材紹介が世間的にも新しいビジネスモデルだったので、業界自体が盛り上がり、市場も拡大を続けていました。しかし10年がたつと、業界全体に停滞を感じるようになったんです。

それに加え、セールスとしても成長実感を持ちづらくなったタイミングでした。なので、そろそろ環境を変えてみるのもいいかなと思い、転職を考え始めました」 田中は転職先を探すにあたって、いくつかの条件を考えていました。

田中 「成長産業であること、世の中に誇れるビジネスであること、営業として売るべきプロダクトだと思えること、経営陣が信頼できることの4点です。

特にこだわったのは『世の中に誇れるビジネスであること』で、社会的に意義あると自分自身が感じられるかどうかは、セールスとして顧客にサービスを届ける立場であるからこそ、選定の軸として大事にしていました」

それらの条件を転職エージェントに話したところ、freeeの紹介を受けます。実際に面接を受け、内定を受けるに至りましたが、田中が選んだのは別の業界のスタートアップ企業でした。

田中 「かなり悩んだんですが、結局、ヘルスケアテック企業を選びました。セールスチームが少数精鋭で、私より経験のある方が多い組織だったので、自分の営業力も磨けると考えたからです」

社会人人生ではじめての挫折。freeeで自身の心境の変化に気づく

田中が前職で担当していたのは、マーケティング支援のセールス。自社アプリ内の広告枠を、担当企業のマーケティングチームに販売していました。

ここで田中は、社会人人生で初めての大きな挫折を経験します。

田中 「立ち上げフェーズだったので難易度が高かったこともありましたが、成果をあげることができなかったんです。

営業力には自信があったので、結果が出ないことに焦っていました。それが悪循環を産み、社内のコミュニケーションのあり方も含めて苦労しました。

今思えば、プライドが高かったんだと思います。できる自分を演出したくて、分からないことでも自力で解決しようともがき、あまり人に聞くことをしていませんでした」

苦労しながらも経験を積んだ田中。前職で大幅な組織変更があったこともあり、きりの良いタイミングでfreeeをもう一度受けることを決意します。

そして2020年5月に無事入社し、小規模法人向けのセールス部門での2ヶ月間の研修が始まりました。

田中 「研修期間は会計や税制の知識を吸収したり、『freee会計』『freee人事労務』の商談にオンライン参加させてもらったりしていました。

入社前に一通り会計や簿記の本を読んではいましたが、それでも現場で出てくるリアルな会話にはついていけないことが多々ありました。その度に読んで調べてを繰り返し、分からないことは商談が終わってから質問していました。

また、知識のキャッチアップには、『あえて、共有する』というカルチャーがあるのも大きかったです。情報が共有されているので、社内SNSやドライブで過去の事例や判断を容易に調べることができました」

前職時代とは正反対とも言える、freeeでの仕事模様。この転換について、前職での仕事の進め方を、自分の中で『失敗』だと捉えることができたのが大きな要因だと田中は語ります。

田中 「本当に分からないことは、一人で背負いこまず、なんでも聞くようにしました。実は面接でも、採用担当の田中 うららさんにも『丸くなったね』と言われたので、freeeに入る前から私のどこかで心境の変化が起きていたのかもしれません」

2ヶ月後、田中はIPO事業部に配属されます。

田中 「IPOを目指しているスタートアップやベンチャー企業を中心に、freeeのプロダクトの価値を届けることが業務でした。

商談では、IPOの厳しい審査を通過するために必要になってくるもの、求められるものの話になることが多かったです。そのため、私はそこでfreeeがどういう役割を担えるのか考え、説明していました。

IPOを行うためには内部統制を含めた業務フローの再構築が必須になるので、会計や業務の効率化を目指すfreeeのプロダクトの考え方とは相性がいいと思いました」

説明不足が起こしたピンチを乗り越え、リスクヘッジの大切さが身に染みた

1年間、IPO事業部で挑戦を続けた田中。SaaSの営業で特に大切なのは、リスクヘッジだと言います。そう思うようになったのには、苦い経験がありました。

田中 「まだ経験が浅い時期、リスクヘッジができていないまま比較的早く契約に進んだことがありました。しかし導入支援をしているカスタマーサクセスにバトンタッチしてから、『あれができない、これもできない』と言う声が出てきてしまったんです。私の説明不足が生んでしまった事態でした。

さらに運が悪いことに、お客様の中で人事異動があり、担当者も社長も変わってしまいました。コミュニケーションを1から構築することが求められる中、何度もミーティングを重ね、課題の洗い出しと運用の見直しを進めました。

結果、最終的には『一次決算が5日も縮まりました』とのコメントをいただき、なんとかサクセスしていただけました」

リスクヘッジには、担当者の意識の変更をお手伝いすることが重要だと言います。

田中 「特に『freee会計』は、今まで手入力していた数値などを、API連携などを駆使することで『自動で取り込む』ことが出来ます。つまり『作業を減らす』のではなく、『作業をなくす』という発想の転換が必要になります。セールスの段階でそういった説明をきちんとしておくことが、スムーズな導入支援に繋がります。

また商談では、表面的な課題の下に、お客様の認識していない根本的な課題が眠っていることもあります。それに早く気がつくことも大切ですね。

さらに経営課題に直面している人や経理担当者にもミーティングに参加してもらうようにし、freeeのプロダクトの導入後にどういう未来を描いているのか、管理部門が効率化されることでどんな仕事をしていきたいのか、想像してもらい、中長期的な視点を持ってもらうように心がけました。

その上で、お客様ごとに導入後に発生しうるリスクを極力把握し、カスタマーサクセスの担当者に伝えています」

リスクヘッジの重要性を意識するようになったこともあり、田中はIPO事業部で一定の成果をあげます。そして、2021年7月、IPOチーム内の別のプロジェクトにアサインされたことから、新たな挑戦が始まりました。

田中 「今は上場企業専任のセールスとして、新しいマーケットを担当しています。IPOが終わり、上場後3年くらいまでのお客様を担当することが多いですね。

お客様にはオンプレ型の会計ソフトを使っている会社も、すでにクラウド型に移行している会社もあります。私の役割は変わらず、今のお客様の状態と照らし合わせて、課題解決できるところがあるかどうか、真摯に向き合うことだと思っています。

チームとしては、マーケティング1人、インサイドセールス1人と立ち上がったばかりで、freeeとしても新しい挑戦なので、その皮切りを担っています。自らの活動が市場を作っていると思えることに魅力を感じています」

新しいチームでの新しい挑戦。そこには不安がつきものですが、田中は今までの経験から、これを冷静に払拭します。

田中 「上場企業の経理財務にはさらなる幅広い知識が必要で、不安もありました。また仕事上、いくらメンバーがアポイントを入れてくれても、私が数字に繋げないとチームとしての数字はゼロになってしまいます。

しかし『知らないことを恥じないマインド』を持って、部署に関わらず、どんなことでもすぐに質問や確認をすることで、自分の中でストレスをためることなく、わからないことを早めにクリアにしていきました。

また、誰もやっていなかった領域にトライできているワクワク感から、気がついたら不安は責任に変わっていました」

セールスが好き、そして私に向いている

田中はこれまで、社会人人生のほとんどでセールスを担当してきましたが、こだわった理由がありました。

田中 「もともとフロントに立って、その会社の商品やサービスを売ることが好きでした。それに加え、1社目で鍛えられたのが大きいと思います。

もちろんストレスやプレッシャーを感じる時期はありましたが、様々なお客様の課題と向き合い、解決型の営業活動をする中で、精神的にも逞しくなれました。

そんな経験から、今では数字やノルマを追うことにも、ネガティブにならずにコミットメントができています。それに、色々なバリエーションに答えられるセールス活動が私の強みになっていると思うし、向いていると感じています」

そんな田中が、これまでの経験を総括します。

田中 「人材紹介、広告営業、自社プロダクト販売と、売るものが変わってきた中で、各企業ごとに面白さがありました。自分がいいと思っているものを、自信を持ってお客様に届けられるって、営業っていい仕事だなと感じています。

そう思えるのは、成長産業に身をおいてきたからだと思います。

新しいものを見せると、お客さんの反応も良く、売ることによってマーケットが拡大していることを実感できます。新しい分野に興味を持ってくれるお客様を、『こんなこともできるんです』と啓蒙していくことも面白いですね。

freeeに関して言うと、今まさに伸びている領域ということもあり、お客様の固定概念や凝り固まっている業務フローを革新的に変えられるものだと思っています。それが社会全体で、スモールビジネスが抱える課題の解決にも、市場の変革にも繋がると思います」

またfreeeならではの、働きやすさがあるといいます。

田中 「もともと面接を受ける時から、『スモールビジネスを、世界の主役に。』というミッションには強く共感していました。

働いてみてわかったことは、掲げているミッションと、実際の動きにギャップがないということです。向かう方向性、経営層が発信する内容なども一貫してミッションと直結しているので、CEO・佐々木 大輔の言葉をそのまま話すこともありますし、営業はしやすいですね。

またSaaSビジネスの特性上、導入を決めてくれたお客様との繋がりを持ち続けられることも素敵だと思います。売って終わりではなく、『最近どうですか?』『これから、この機能ってどうなりますか?』と連絡を取り合えるのがいいですね」

そんな田中がこれからの目標を語ります。

田中 「まずはfreeeの価値を、これから担当する企業に知ってもらうこと。特に管理部門の人たちが、単なるデータ入力から解放され、価値を生み出す業務に注力できるようになること。その活動の継続が、中長期的には、日本の中小企業が生産性を高めることに繋がると思います。

freeeはまだまだ市場のイメージがスモールビジネスや個人事業主に留まっているので、上場企業でも使っていただけることを市場の中で示したいですね。

個人的には、freeeのプロダクトを売ってはいますが、本質的には業務フローのコンサルティングという役割が強いと思っています。そういった分野の知識もつけていきたいですね。

あとは、IPO事業部時代に導入してくれたお客様が上場するのを楽しみにしています」

freeeの新たな市場を切り拓いていこうと日々活動を続ける田中。彼女とfreeeの新たな挑戦が実を結ぶ日を目指して、走り続けます。