PMMになりたい人を増やしたい
freeeには「PMM」と呼ばれるポジションがあります。一般にPMといえば、「プロジェクトマネージャー」または「プロダクトマネージャー」を指すと思いますが、PMMとはどんな役割なのでしょうか?
PMMのポジションで活躍するメンバーにインタビューをしてきました。

【プロフィール】坂本 航さん
新卒でSier に入社し、大手金融機関向けのPjMに従事。その後、仕事の手触り感や成長実感、ポジティブな空気が流れている環境に身を置きたいと思いfreeeに転職。インサイドセールス/ フィールドセールス、セールスのマネージャーを経験した後に、現在はPMM(Product Marketing Manager)を務める。
売上を伸ばすために何でもやる、それがfreeeのPMM
ーfreeeのPMMとは何をする仕事なんでしょうか?
PMMとはProduct Marketing Managerの略称で「どのようなプロダクトが売れるかを考え、そのプロダクトを売る方法を決める仕事」と一般的には定義されています。似た役割として、PdMが挙げられますが、海外では一般的にPdM(Product Manager)と棲み分けとして、PdMはEngineerやDesigner等の開発領域に責任を持つ一方、PMMはMarketing、Sales、Customer Successの販売領域に責任を持つものとされています。
freeeのPMMについても上述の内容から大きく変わることはありませんが、担当する事業ドメインやフェーズによって、グラデーションがあります。
その中で、私は「1→10」事業フェーズのPMMを担当することが多く、基本的には売上(トップライン)を伸ばすために出来ることを全てやる、という役割/ミッションです。
箇条書きになりますが、参考までにより細かく日々の実務として行っている(た)内容でいうと、以下のような内容になります。
■事業計画の策定
■プロダクトのトップライン向上のための戦略立案
■マーケティング<>インサイドセールス<>フィールドセールス<>カスタマーサクセスまでのジャーニーマップ作成
■ジャーニーに沿った商談ストーリーの策定
■ホワイトペーパーの作成
■ウェビナーの設計・資料作り
■商談ストーリーの仮説検証
■インサイドセールスのスクリプトの作成/更新
■フィールドセールス の提案資料やスクリプトの作成/更新
■商談分析(受注/失注要因・ターゲット分析等)
■アライアンスや別部署を含めた自組織以外での販売戦略の仮説検証
■契約済顧客からの問い合わせ内容の分析
■失注/解約顧客へのインタビュー
■競合するプロダクトのリサーチ
■PdMへのプロダクトFB
正直、最初に自分一人で担当するときは対応領域の広さも相まって不安とドキドキでいっぱいでしたが、社内の有識者や知見がある人を徹底的に真似ること(TTP)を意識していたので、時間の経過に比例して徐々に慣れていき、少しずつ自信と共にこうやってやればいいんだなという感覚を積んでいきました。

ーPMMとしてうまくいった仕事、プロジェクトについて教えてください。
2023年から取り組んだfreee販売のセールス組織立ち上げのプロジェクトですね。当時、freee販売は中規模法人向けのセールス組織はあったのですが、小規模法人向けのセールス組織がなく、マーケティングだけで売上を伸ばす事業構造でした。しかし、ARPUが低いにも関わらず、大胆な広告出稿をしていたので事業ROIがあまり良いとは言えない状況でした。笑
その背景から、まずは「セールスを置く価値はあるのか?」や「妥当なプライシング/プロダクトの届け方はどんなか?」をPMMとして、実際現場に出て営業活動を通し検証を行いました。この「実際に売ってみる」という活動を通し、顧客の課題やプロダクトの価値を体感 すると共に、様々な仮説検証を進めることが出来たと思っています。
その結果、PdMや事業部長とコミュニケーションを行い、プライシング/ セールス組織の組成(採用〜育成)/事業計画の立案などを行い、事業をYoY で300% まで伸ばすことが出来、一定私がいなくとも回る体制になったので、他の人に引き継ぐことが出来ました。
ー最近取り組まれた具体的なプロジェクトについて、その目的から成果まで教えてください。
販売管理事業の次に取り組んだ「入口(Land)」プロダクト戦略の探索ですね。我々、freeeは「統合型」を強みとしてサービスを提供していますが、実際ユーザーには「統合でやりたいけれど、いきなりは難しい」や「まずは部分的に使いたい」「全てを使いこなせるか不安」という声がマーケットには多くあると感じました。そのため、SaaSに業務を合わせてもらうのではなく、顧客にプロダクトを合わせるという観点でスモールビジネスが手軽に使い始められる「Landプロダクト」の提供を2023年ごろから行っていました。
しかし、プロダクトや顧客の特性などがfreeeのコア事業と大きく異なることもあり、リリースから1年ほど経ってもプロダクトがあまり売れていなかった/価値が届いていなかったんですよね笑 そして、専任のBiz担当も不在であったため、なぜ売れないのか?が曖昧な状態でした。
そのため私は会計の「入口(Land)」プロダクト担当として「プロダクトはどれくらい売れるのか?」や「そもそもなぜ売れないのか?」を実際にセールス活動を通し探索していきました。結果として、ストーリーの仮説検証やプロダクトの価値の再定義 などを通し、QonQ で400% まで事業KPIを伸ばすことができ、現在はその成果を「だれでも」達成できるような組織の組成などに関わっています。

ーその中で、どのようなステークホルダーとどのような調整を行っているのですか?チーム間の連携や意思決定プロセスについて、具体例を交えて教えてください。
これは本当に幅広いですね。いわゆる「マーケティング」や「インサイドセールス」「フィールドセールス」はもちろんのこと、「カスタマーサクセス」「事業企画」、「開発チーム」や「役員」ともコミュニケーションする機会があります。
上で触れたようにfreeeは「統合型」をマジ価値だと考えており、ビジネス組織もプロダクト別で細かく分けることはしていません。そのため、組織構造としてプロダクトごとのKPI/KGIと、ビジネス組織のKPI/KGIが必ずしも一致しない構造になっています。そのため、気がついたらプロダクトが「売れなくなる」ことや「使われなくなる」こと、逆に「想定していない領域で売れる」ということが発生しうる環境下において、プロダクトの旗振り役をするのがPMMだと私は考えています。
個人としては、各種領域の事業KPIを最大限リスペクトしながら、全体を俯瞰しつつレバレッジが効きそうなところを重点的に見たり、逆にPMMだからこその現状を疑う視点からあたらしい手段を検討する、ということを意識しています。
具体的には、3か年の事業計画を事業企画と協働 し策定し、達成に必要なマーケティング投資やHCを役員会議でaskしたり、プロダクト起点での有効リードを創出するためにマーケティングチームとセミナーを企画したり。直近では現場の提案資料を改善するために、セールスチームにヒアリングした内容をデザイナーと壁打ちすることもありました。

裁量の大きい機会がたくさん転がっている
ーfreeeのPMM組織の特徴や強みは何ですか?
あらゆる機会があること、だと思います。それは、「0→1」「1→10」「10→100」という事業フェーズや「Fin. tech」「HR tech.」という事業ドメイン、「個人事業主」「SMB」「Mid MarketMM」という顧客規模・業種など、様々な観点でこれだけ多角的に事業を展開しているSaaS企業は日本にほとんどないと私は考えています。さらにfreeeは「統合型経営プラットフォーム」として、さらなる成長を目指しており、まだまだやるべきことがたくさんあります。だからこそ、会社と自己への飽くなき成長意欲をモチベーションにできる方にとっては、最高の環境だと自負しています。
ーfreeeならではのPMMとしての裁量や権限について、他社との違いを感じる点はありますか?
オーナーシップ・裁量はすごく大きいと思います。ラクスル福島さんが記事で書かれているように、PMM/Biz Devにもっとも必要なものは「圧倒的な当事者意識」だと思っています。freeeのPMMは基本的に1ドメイン or 1ファンクションで1人となっているので、基本的に「自分がやらないとだれもやらない」という環境です。私は他社のPMMのことを深く知っているわけではないですが、これだけの規模でありながら、これだけ事業に向き合える環境はfreeeの強みだと思います。
ーfreeeでPMMとして必要なスキルとはなんですか?
“楽しむこと”ですかね。ここまでの会話で気づかれたかもしれないですが、freeeのPMMというロールは「明確な型」がないんです。そのため、絶対的に必要不可欠なスキルセットはないと私は思っています。ただ、それは「成長」から目を背けることではなく、スタンスとして特定のスキルを向上させよう!ではなく、目の前の事業成果に100%コミットする。その結果、スキルが身につく、が正しいフィードバックサイクルなのではないかと考えています。

ー今後どのようなキャリアを描いていますか?
大きく分けて2つあります。
1つは突き抜けた事業を創り出したいですね。これまで私はfreeeの中で例を見ないほど多岐に渡る事業に関わらせてもらっている自負はあるのですが、その一方で最後までやりきれていないのではないか?という思いも、心の中にあります。そのため、これからの3~5年でやり切った!と思えるような事業を創り切りたいと考えています。
2つ目はfreeeのPMMは面白い!というロールモデルになることです。私は恥ずかしながら、自分がPMMになるまで「PMM」という仕事が世の中にあることを知りませんでした。しかし、2年経った今 では「PMMほど面白い仕事ってないのでは?」と感じるまでPMMにのめり込んでいます。笑 ただ、世の中やfreeeの中ですら「PMMってなに?」という状態だと私は思っているので(悲観的過ぎますかね?笑)、1つ目のビジョンを実現する過程において「PMMって面白そう」と思ってもらえる総数を社内外で増やしていきたいですね。
ーfreeeのPMMとして働く醍醐味を一言で表すと、どのようなものでしょうか?
freeeにはめちゃめちゃたくさんのチャンスがあることだと思います。freeeは現在41のサービスを提供し、56万のスモールビジネスのみなさんに利用いただいています。つい、2年前までは約半分程度のサービス数だったことを考えると、とてつもない変化だと思います。
このように変化速度が速い組織ほど「チャンス(機会)」が自分に回ってくる確率は高まると私は考えており、今後もfreeeはスピードを落とすことなく変化を続けていくと信じています。そう考えると、私がやったことが小さく感じられるほどのチャンスを掴み取る機会が拡がっていることがfreeeで働く醍醐味だと思います。

撮影/戸笈汐音
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