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# 新卒入社# カスタマーサクセス

より良いユーザー体験を目指して──セルフサクセスチームで活躍する雨夜の挑戦

2018年4月、freeeに新卒入社した雨夜(あまや)一貴。入社以降、社内でも前例のないプロジェクトに多く参画し、チャレンジを続けてきました。ここでは雨夜がfreeeを選んだ背景や、セルフサクセスチームの業務、目指していることについてご紹介します。

リスクを取ってでも、社会に価値を出す生き方に憧れた

(▲freeeの新卒合宿でカーリングに挑戦)

雨夜は大学3年の時に、1年半経験した長期インターンが印象に残っていると言います。

雨夜 「もともと『何も知らないまま社会人になるのが怖い』という気持ちがあり、将来に向けて動き出さないと!と漠然と考えていました。

いろいろとイベントに参加する中で、創業期のスタートアップの支援を行うトーマツベンチャーサポート株式会社の方と出会いました。事業内容に興味が湧いたので『一緒に何かやりたいです!』と伝えると、長期インターンに参加させてもらえることになりました。

関西でのインターン募集は初めてだったようで、何も整ってない中、クライアントとのミーティングに参加したり、ピッチイベントの運営を行ったり、いろいろな経験をしました」

この経験が雨夜の価値観を変え、自身の将来への影響を与えることとなります。

雨夜 「それまでは『大企業に就職して、ある程度お金を稼いで、良い生活がしたいな〜』とぼんやり考えている程度でした。

しかし、スタートアップのCEOとのミーティングで彼らの熱い想いに触れる経験を重ねたことで、リスクを取ってでも社会に価値を出す生き方に憧れるようになりました。めちゃくちゃ格好良く映りましたね」

そんな想いから就職活動でもスタートアップを志すようになった雨夜。しかし連続して最終面接で落ちてしまいます。

雨夜 「裁量が大きく、ビジネスドリブンでゴリゴリやっているスタートアップを何社か受けたのですが、内定には至りませんでした。『君がうちの会社である必要が見受けられない』と言われてしまって……。

今振り返ると、スタートアップへの憧れが強いだけで、やりきる覚悟や胆力がなく、フワついていたのを見抜かれていたんだと思います。

就職活動の軸が違うんだろうなと自覚し、自分は何がやりたいのか、どんな会社ならそれが実現できるのか見直すことにしました」

自分の想いを実現できる場所──freeeとの出会い

(▲休日の雨夜)

大企業ではない、ゴリゴリのベンチャーでもない。自分の可能性を探して、雨夜はこれまでの人生を振り返ります。

雨夜 「大学時代を振り返ると、長期インターンの他に、中小企業診断士の資格を取ったこと、学生団体を通じて神戸の商店街の人たちと地域活性化のためのイベントを開催したことが思い浮かびました。

中小企業診断士の資格で印象に残っているのは、筆記試験合格後の実務研修で、中小企業のコンサルティングをしたことでした。仙台・広島の中小企業の社長さんとお話をする中で、地域に密着しながら想いを持って経営しているスモールビジネスに対して親近感を感じました。生き生きとしていてすごく魅力的に思えたんです。

商店街の人たちとの交流では、カフェや飲食店を営んでいる人とお話することが多かったです。まさにスモールビジネスど真ん中な人たちとお話するのは素直に楽しくて、かつ人生に対して自立的で積極的な姿勢に感銘を受けました」

雨夜はちょうどこのタイミングでfreeeを知り、当時のミッション『スモールビジネスに携わるすべてのひとが創造的な活動にフォーカスできるよう』に強く共感し、面接に挑戦します。

雨夜 「『ここだったら、当てはまるかも』と思い、受けてみたんです。面接では役員と『スモールビジネスを良くしたいよね!』とめちゃくちゃ盛り上がりました。

freeeなら『熱い想いを持ってスタートアップで働き、社会に価値を出したい』というインターンで芽生えた希望を実現でき、誇りを持って働いているスモールビジネスの人たちに寄り添って、一緒に成長していくことも可能だと感じました。

特にスモールビジネスの人たちは、資金繰りに困っている人が多いことを実感していたので、freeeはそれを解決できるおもしろい存在になっていくんじゃないかと」

内定が決まると、2017年10月、上京して週3回の内定者インターンとして働き始めました。

雨夜 「最初に配属されたのは、小規模法人向けのカスタマーサクセスチームでした。エンドユーザーへのオンボーディングを行う業務を担当することになりました」

雨夜は入社までの半年間で、約100社にオンラインでオンボーディングを行いました。

雨夜 「もちろんプロダクトについて勉強していたものの、わからないこともあり、コミュニケーションも得意な方ではなかったので、最初はあまりうまくいきませんでした。

プロダクトの知識は徹底的に調べ、オンボーディングの内容に関しては、上手い人の録音を聞いて話の展開などを染み込ませていきました。

自分の不甲斐なさに心が折れそうになる時もありましたが、スモールビジネスの経営者とお話すること自体は楽しかったからこそ、半年間オンボーディングと向き合うことができたと感じます」

カスタマーサクセスでの雨夜の頑張りは、入社後の配属に影響を与えました。

自分が得意なのは、芽吹いた事業を1→10に育てること

(▲右から雨夜、ジャーマネ佐藤、斉藤さん(鳥取銀行)

2018年4月、freeeに入社した雨夜が配属されたのは金融事業部でした。

雨夜 「入社前の2018年2月に金融事業部の責任者・花井 一寛からの誘いで配属が決まりました。当時の金融事業部には中途採用の金融機関出身の人が多く、freeeのプロダクト知識が豊富な人が少なかったことと、多くの銀行員が取得を目指している中小企業診断士の資格を持っていたことが指名につながったようです」

雨夜は金融事業部のアライアンス担当として、半年間で100人以上の行員に研修を実施するなど、がむしゃらに動きました。

雨夜 「新卒1年目の私にとって、本当に難しいことだらけでした。

士業(税理士や公認会計士)向けのカスタマーサクセスはノウハウがあったものの、金融機関向けのものはゼロ。しかも新卒1人でその役割を任されたので、最初は何をすればいいのかまったくわかりませんでした。地方銀行出身でジャーマネ(※)の佐藤 顕範に壁打ちしてフィードバックをもらいながら、どうミッションを達成するかを考えていきました。

行員向けの2週間の研修実施、支店の担当者向けの研修資料作成、freeeを提案するときに渡す事例集やパンフレットの作成、行員との営業同行など、手探りで思いつく限りのことに挑戦しました。半年間の経験で、何より社会人としてたくましくなれたと思います」
※マネージャーのこと。freeeでは単にメンバーの上に立つ者のことではなく、“タレント”であるfreeeのメンバーを叱咤激励し、成長・活躍をサポートする役割だと考え、ジャーマネと呼んでいる。

2019年には組織変更があり、金融事業部は法律的観点とその将来性を鑑みて、freee finance lab(FFL)として子会社化されました。

それにともなって雨夜の業務も変わり、自社金融サービスを作る中で『カスタマーサポートの構築』『貸金業法への対応』の2つのプロジェクトマネジメントを担当することに。より良い金融サービスを作るため、守るべきルールの徹底と社内体制の構築に励んだ半年間でした。

この経験が雨夜のキャリアに影響を与え、2022年10月現在所属しているサクセス基盤チームが誕生するきっかけにもなりました。

雨夜 「金融の仕事も楽しかったけれど、プロダクト側に興味が出てきたんです。

サポート構築の時にカウンターパートだったカスタマーサポートチームのメンバーから、問い合わせを元に行うプロダクト改善業務の話を詳しく聞くとかなりおもしろくて。

また金融チームで1年以上やってきて、自分が得意なのは芽吹いた事業を1→10に育てることだと気づきました。問合せ削減のための企画、つまりユーザーが自己解決できる施策を考えるチームは、私の性に合いそうだと思い、2019年7月に手を上げて異動しました」

雨夜は異動からの2年間で、たくさんの問合せ削減施策を実施しました。

雨夜 「一言で表すと、PM組織外でありながら、開発チームを持ってプロダクト改修の企画を考えている、おもしろい立ち位置のチームでした。

ヘルプページの作成やチャットボットの改修、プロダクトの画面改修などを行い、2年間で1万件以上の問合せを削減できました」

freeeをセルフサクセスのリーディングカンパニーに

(▲サクセス基盤チームが刷新したヘルプページの一部)

問合せ削減の取り組みは、実績を持ってその必要性を社内に証明し、サクセス基盤チームとなり、規模も約5倍まで大きくなりました。

2022年現在、雨夜はサクセス基盤チームのジャーマネを担当しています。

雨夜 「部署全体では既存ユーザーに対しての顧客体験の向上を目指しています。サクセス基盤チームは、ヘルプページのようなプロダクト全体にまたがる企画を担当しています。

以前との違いは規模が大きくなって、専任の開発チームがついたことですね」

チームが発足してから、サクセス基盤が行ってきたのはヘルプページの大刷新でした。

雨夜 「ヘルプページの大刷新は、私が入社してから一番頑張ったことだと思っています。

それまでブランド刷新に対してヘルプページが全然追従できておらず、サイトの構造もごちゃごちゃしていて、ユーザー体験として決して良いものとは言えませんでした。

ユーザーが目的とするヘルプページに容易に辿り着けるように、関係部署とのミーティングを重ね、わからないところは聞きながら、一つひとつの導線設計を綿密に作り直しました。

さらに、調べたいプロダクトごとに表示するページを絞り込める画面設計の構築や、検索エンジンの切り替えなども行い、最終的にはデザインも一新しました」
(ヘルプページ大刷新プロジェクトは雨夜のnoteにも詳しく綴られています)

雨夜はヘルプページの改善は、スタート地点だと言います。

雨夜 「サクセス基盤チームの指標は問い合わせ数を減らすことと、解約率を減らすことと大きく2つあり、これまで前者に注力してきました。

しかし、これはマイナスをゼロにしたに過ぎないと思っています。理想のユーザー体験を解明してロイヤリティを向上させ、結果として解約率を減少させるためには、まだまだできることがたくさんあります。これからも、データと睨めっこしながら、ユーザーや現場でカスタマーサクセスに勤しんでいるメンバーの生の声を聞いて、定量的・定性的、両面からアプローチしていきたいです」

すべてはより良い顧客体験のために──そんな想いを胸に、雨夜がこれまでを振り返り、これからの目標を語ります。

雨夜 「セルフサクセス領域はまだ日本のSaaSでもメソッドが確立しきっていないと考えているので、freeeがそのリーディングカンパニーだ、と胸を張って言えるようにしていきたいです。

そのためには『誰よりもユーザーを知っているチーム』を目指す必要があります。小さな顧客体験が積み重なってプロダクトの『使いやすい/使いにくい』の認知形成がされるので、細かいところまでこだわって、適切な意思決定をできるようにしたいですね。

入社以来、やり方が確立されていないものに多くチャレンジさせていただきました。現状見えていないものを可視化して、科学していくチャレンジを続け、より広く深い範囲でユーザーに価値を届けられる存在になりたいです」