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# 新卒入社# freee# プロダクトマーケティング# 女性の働き方# 育休復帰

産育休明け、「かつての自分」とのギャップを抱えて。“今の私“のリアルな胸の内

freeeに新卒で入社し、インサイドセールスを経てマーケティングへ。現在はプロダクトマーケティングマネージャーとして活躍する宇都宮まゆ(mayuyu)さん。

第一子を出産し、産育休を経て職場に復帰。身体や働き方の面で想像以上の変化がある中、少しずつ気持ちを整理し、自分らしいキャリアの歩みを模索しています。

今回は、セールスからマーケティングへの転身、産後のリアルな心境、そしてこれからの目標まで、mayuyuさんに等身大の言葉で語ってもらいました。

【プロフィール】
宇都宮 まゆ(mayuyu)
プロダクトマーケティング部
人事労務勤怠管理グループ プロダクトマーケティングマネージャー

2019年4月に新卒でfreeeへ入社。小規模法人向けのインサイドセールス、マーケティングを経て、中規模法人向けの人事労務領域のマーケティングに約3年間従事し、そのうち1年間はマネジメントも担当。2024年8月に出産し、約10ヶ月間の産育休を経て復職。現在は人事労務勤怠管理のプロダクトマーケティングマネージャーとして、事業成長に向けたマーケティング戦略の立案・推進を担う。

インサイドセールスから始まった、キャリアの第一歩


ー まずは、freeeに入社する前のことからお聞きしたいと思います。mayuyuさんはどんな学生時代を過ごされたのでしょうか?

高校までは地元・大分で過ごし、大学進学を機に上京しました。大学では、国際的な学生団体AIESECでの活動やスタートアップでの長期インターンに挑戦。主体的に動くことで、見える世界が広がる実感を得ました。

就職活動では、事業とミッションが明確に結びついていること、自分に合うカルチャーであること、そしてマーケティングに挑戦できる環境があることを重視。freeeはそのすべてを満たしており、「ここで挑戦したい」と心から思えた会社でした。



ー 入社後は、インサイドセールスからスタートされたと伺いました。当時はマーケティングを希望されていたそうですが、セールスの経験をどのようにキャリアにつなげていったのでしょうか?

入社当初、freeeの新卒はほとんど全員がインサイドセールスに配属されていました。将来的にはマーケティング職を希望していましたが、先輩たちがこのポジションを経て多様なキャリアを築いている姿を見ていたので、不安はありませんでした。

しかし、実際に業務が始まると、やる気とは裏腹に同期と横並びで比較される環境にプレッシャーを感じることも。そんな中で意識していたのは、「求められる120%の成果を出すこと」と、「インサイドセールスの経験をどうやってマーケティングにつなげるか」の2つでした。

具体的には、これまで「アプローチ対象から外れていたお客様」にもあえて目を向け、本当に成果につながらないのか、自分なりに検証を重ねました。対象となる顧客像の見直しや提供価値の再設計といった企画寄りの試みだったと思います。

このような自発的な取り組みや、目指すキャリアの方向性を発信し続けたこともあってか、インサイドセールス経験から約半年後にマーケティングへ異動となりました。

セールス現場で培った知見が、手触り感のある企画へ


ー 実際にマーケティングに携わってみて、いかがでしたか?

想像以上に難しく、奥深い仕事だと感じました。マーケティングを担当するようになってからは、「どんな人がfreeeを知り、どのような経路で接点を持ち、サービスを活用してくれるのか」という視点で、顧客の体験全体を俯瞰できるようになりました。

担当領域が広がるにつれて、社内で関わる人の数も増えていきました。私は一人で完結する仕事よりも、さまざまな人とアイデアを出し合いながらチームで動くことが好きです。仕事の進め方としてもマーケティングは自分に合っていると感じています。



ー 現在はどのような役割を担われていますか?

プロダクトマーケティングマネージャーとして、プロダクトを起点にしたマーケティング活動を担っています。「このプロダクトをどんな人に、どのように届けるか」を戦略的に考え、そのための施策を企画・実行するのが主な役割です。

担当プロダクトのマーケティングオーナーとして、認知から購買に至るまでお客様との接点を生み、売上につなげる道筋をつくっています。


ー インサイドセールス時代の経験が活きる場面もありますか?

はい、すごくあります。マーケティングでは、施策を考えるときに「誰に届けたいか」を明確にし、お客様へのインタビューを通して解像度を高めるというプロセスをたどります。その際に、私はお話を伺った特定のお客様を自分の中に“インストール”して考えることが多いんです。実際の人物像を思い浮かべながら施策を考えることで、よりターゲットに刺さりやすい施策に落とし込めるんですよね。

「あの方ならこう感じるだろうな」と具体的にイメージしながら企画を考えられるのは、インサイドセールス時代に一人ひとりのお客様と向き合い、背景や課題を丁寧にヒアリングしてきた経験があるからこそ。これは数字やデータだけでは補えない部分だと感じます。

また、人事労務領域のマーケティングへ異動した際は、商流の主軸がセールスだったため、セールスとの連携なくして成果は望めない状況でした。セールスの目標やオペレーションを深く理解でき、解像度が高い状態でメンバーを巻き込むことができたのも、現場での実体験があったからでした。キャリアのスタートがインサイドセールスで本当によかったです。

ライフステージの変化がもたらした葛藤と成長


ー キャリアの歩みとともに、プライベートでも節目を迎えられたそうですね。

はい。2024年8月に第一子を出産し、約10ヶ月の産育休を経て復職しました。


ー 復職してみて、率直な感想としてはいかがでしょうか。

復職にあたって大変さは覚悟していましたが、現実はその予想を上回るものでした。特に大きかったのは「身体や感覚の変化」と「子育てによる時間の制約」です。

身体の面では、頭の回転が以前より遅くなったように感じる、人の話がやけに速く聞こえる……そんな瞬間が幾度となくありました。「前の自分とは違う」とはっきり実感するたび、もどかしい気持ちになりました。

産前から一緒に働いていたメンバーは以前の私を知っていますが、復職後に出会った人にとっては今の姿がすべて。そう考えると、余計にそのギャップが気になってしまうんです。


ー かつての自分とのギャップにもどかしさを抱えていらっしゃるんですね。時間の制約という面ではいかがですか?

子育てが生活の一部になったことで、働ける時間はどうしても限られます。自分の都合だけで予定を組めていたころとは違い、子どもの体調不良など予想外の出来事にもすぐに対応しなければなりません。

だからこそ、「限られた時間でどう成果を出すか」を常に考えるようになりました。最初は焦りや不安のほうが強かったですが、「できないこと」に目を向けるのをやめ、「今できること」に集中するように意識を変えたら、少しずつ気持ちが軽くなりました。

復帰して3ヶ月。まだ試行錯誤中ですが、「本当に自分がやるべきことは何なのか」を考え、限られた時間の中で求められる以上の成果を出すことを意識するようになりました。時間と量で乗り切ってきた自分から一歩抜け出し、新しいゲームに挑んでいる感覚です。


ー 子育てと両立する中で生まれたプラスの変化もあったんですね。

周囲の声に耳を傾け、少しずつ整理している胸の内


ー 産後の変化に直面しつつも、どのように気持ちを切り替えてきたのでしょうか?

正直、まだ完全に切り替えられているかは自分でも分かりません。ただ、今は社内に子どもがいるメンバーが私の入社当時よりもかなり増えていて、先輩に「どうしていますか?」と気軽に聞ける環境があります。

最近始まったメンタリングプログラムでは、役員クラスと1on1で話せる機会もありました。そこで、個人的な悩みも含めてざっくばらんに相談できたんです。もらったフィードバックは自分の考えを整理するきっかけになりました。

要するに、いろんな人に聞きまくっています(笑)。そのおかげで、少しずつですが、気持ちが前向きになってきているのを感じます。



ー 子育てする上で、freeeの制度や環境が役立ったと感じた場面はありますか?

まず心強いのは、社内に男女問わず子育て中のメンバーが当たり前にいることです。男性も育休を長期でとる人が増えているし、カレンダーを見ても18時以降の予定をブロックしている人が珍しくありません。子育ては両親で行うものという認識を持って働いている方がfreeeには多いと感じています。

また、子育ての状況に応じて一部リモートワークを取り入れられるのも助かっています。家庭の事情に合わせて柔軟に働ける安心感がありますね。

そしてもう一つ、freeeではベビーシッターサービスの利用料が半額補助される制度があります。私は週1回固定でお願いしていて、「この日はシッターさんが来てくれる」と思うだけで、心に余裕が生まれます。その日を楽しみに1週間を乗り切っています。

自分らしさを大切にした柔軟なキャリア形成


ー 改めて、mayuyuさんがfreeeで頑張れる理由を教えてください。

freeeには約2,000人のメンバーがいて、年齢や経験、ライフステージも本当にさまざまです。そんな多様な仲間が日々前に進み続けている姿を見ると、自分も背中を押されますし、いつからでも成長できるんだと感じられます。
また、freeeでは「ここまでで十分」と上限を決められることがなく、常に新しい期待をかけてもらえます。その期待も数字だけで測られるのではなく、目的や意義から一緒に考えてくれるので、「なぜやるのか」という納得感を持ちながら進んでいけるんです。


ー 今回のインタビューでは産後の働き方についても伺いました。ライフイベントを経てもキャリアを描き続けたい女性にとって、freeeで働くことにはどんな価値があると考えますか?

freeeで働く価値は、状況や立場に関わらず挑戦し続けられることにあると思います。「何年経たないとこの仕事は任せられない」といった決まりはなく、むしろ成長スピードを歓迎してくれる文化があります。

働き方も人それぞれです。freeeでは、状況や本人の意思を尊重したアサインをしてくれるので、「子どもがいるからこうだよね」という一律的な決めつけがありません。私自身は「子育て中も全力で働きたい」という気持ちが強かったので、復帰後も次の成長につながるような役割を任せてもらえて純粋に嬉しかったです。



一方で、今は全力で走ることを選んでいますが、ライフステージや環境の変化によって、働き方を見直すときが来るかもしれません。そんなときでも、freeeなら自分の望む形でキャリアを描き続けられると感じています。プロダクトや制度も進化を続けているからこそ、この先のキャリアには、今よりもっと広い可能性が見えてくるはずです。

変わり続ける環境の中で、自分自身も変化を重ねながら、この場所で歩みを続けていける。そんな未来を信じています。



取材・執筆/早坂みさと
撮影/戸笈汐音