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産休・育休メンバー座談会

freee社員が語る、それぞれの産休と育休

座談会参加メンバーの写真

職種も役割も異なるfreee社員4名が経験してきた、産休と育休。取得までの流れ、ジャーマネや周囲のメンバーとの関わり方、制度の活用などざっくばらんに語ります。

対談メンバー

上原の写真

マーケティング本部 コンテンツエクスペリエンス部

上原麻奈美|2019年中途入社

沖縄県出身。Webデザインに従事したのち、デジタルエージェンシーにてWebディレクション&Webプロデュース業務を担当。その後、2019年にfreeeへ入社。入社以来4年間、マーケティング部署に所属し、デジタル領域でのマーケティング施策を担当している。

小倉の写真

金融開発 エンジニアリングマネージャー

小倉|2021年中途入社

Yahoo! JAPANにてYahoo! ショッピングのリアーキテクト等を経験後、2021年にfreeeへ入社し、人事労務の開発を担当。その後、SREへ社内留学を経て、金融開発へ異動。現在は決済事業の開発チームでEMを務める。

辻本の写真

CCO(Chief Culture Officer)

辻本祐佳|2017年中途入社

和歌山県出身。東京大学法学部を卒業後、楽天株式会社での法務経験を経て2017年8月freee入社。今後のfreeeカルチャーを再定義するプロジェクト参画をきっかけに、2018年7月から社内のカルチャー浸透・組織での体現に取り組む。趣味は漫画・小説で、あれこれ読んで感想を語るのが好き。

平岡の写真

パートナー事業部 マーケティングチーム

平岡諒太|2019年中途入社

神奈川県出身、早稲田大学卒業。新卒で農林中央金庫に入庫後、農林水産業向け融資、金融機関向けオルタナティブ投資商品の営業を経験。2019年にfreee入社後、会計事務所向けのセールスとして活動。その後、同チームでジャーマネを担い、現在は会計事務所向けマーケティングチームのジャーマネを務めている。

※ジャーマネとはfreeeにおけるマネージャーのことで、メンバーのパフォーマンスを引き出す芸能界のジャーマネのような「役割」であって欲しいと意志をこめて名付けています。

「なんとかしとくから、とりあえずいっといで。」

辻本の写真

みなさんの入社から休暇・復帰の経緯を教えてください

上原入社後3年目の2022年に約1年間ほど産休・育休を取得しました。保育園入所を目指していて、点数を加点するため早めに復帰しました。

小倉入社してから数ヶ月後に子供が生まれました。仕事に慣れ始めて自分の価値が発揮できるようになったタイミングだったので、育休は取りたいと思っていたものの、タイミングや期間はジャーマネに相談していました。はじめは、仕事に置いていかれるのが恐くて、1.5ヶ月くらいにしようと思っていました。しかし、ジャーマネからは「子供との貴重な時間だから長めにとってほしい、最低3ヶ月くらいは取ったほうが後悔しないと思う」というアドバイスをもらい、悩んだ末に3ヶ月の育休取得を決めました。

辻本私は、入社後に結婚して出産しました。子供を持ちたいと考えていることはfreeeの面接でも面接官だった武地(現CSO)に伝えていましたし、当時のジャーマネだった東後(現CPO)にも子供が欲しいという話をしていました。 その後、コロナ感染者がピークの時期に妊娠したのですが、業務上ではチームマネジメントに自信を失っている時期で、回復できないまま産休・育休に入りました。半年後に復帰したのですが、オフィス移転のプロジェクトを任せてもらい、それを成し遂げた時は自信になりました。もちろん復帰後は大変でしたが、今振り返ってみるとあのタイミングで復帰したのもよかったかなと思っています。

平岡私は、第二子の時に2回に分割して取得しました。2019年に入社し、その年の年末に第一子が生まれました。その2年後に第二子が生まれ、最初に1ヶ月、1歳になる直前に2ヶ月の育休を取得しました。

産休・育休前はスムーズに取得できましたか?

上原体調もよかったので業務にも影響なく、休みの取得もスムーズでした。当時のまわりの反応はあまり覚えていないのですが、淡々と取得に向けたコミュニケーションが進んだ印象です。復帰も見越していたので、一年後には戻ってくる前提で休みに入りました。

小倉大きな調整は特に必要なく、取得はスムーズでした。チームの体制として、自分だけで持っている仕事がほとんどなかったことと、お子さんがいるメンバーに囲まれていたので、気兼ねなく取得に移行できる雰囲気がありました。

辻本東後が「なんとかしとくから、とりあえずいっといで」と言ってくれたので、とてもスムーズに取得できました。メンバーがどう感じているのかだけが気がかりでしたが、メンバー全員が私の意思を尊重してくれたことには感謝しかありません。

平岡当時のジャーマネも育休取得経験のある方だったり、周囲のメンバーも取得者がいたので「生まれたので1ヶ月取りますね〜」という感じでスムーズに取得できました。懸念としてメンバーへの負担が増えてしまうことを危惧していましたが、快く送り出してくれました。とても感謝しています。その後、第二子が生まれて少し経った頃に、幸いなことに育休法が改定されて分割取得が可能になったんです。その子は少々手のかかる子でしたので、再び育休取得して妻の負担を少しでも減らしたいと思い、ダメ元で会社に2回目の育休取得を相談しました。前例もなく、組織としての準備もまだ整っていなかったと思いますが、翌日にはOKが出たので、本格的に2回目の育休取得に向けて動き出すことができました。

平岡の写真

産休・育休を取る前に不安に感じていたことはありますか?

上原社会人経験も長いですし、無理せず働ける範囲を把握していたので、特に不安はありませんでした。産休・育休取得の前に、復帰後の業務調整もできる環境だとわかっていたので不安なく過ごせました。

小倉1人目の子供は大変だよと周りから言われていたので、育児がどれだけ大変なのかという不安はありました。また、仕事においていかれることや、評価がどうなるのかは気がかりでした。これら全てジャーマネに相談していましたが、「貴重な時間だし、思っているよりも3ヶ月は短い。これからいくらでも面白い仕事があるから」という助言もあり吹っ切れた状態で育休に臨むことができました。

辻本産休を取得することによって周囲からどう思われるのか、が一番気がかりでした。産休取得の直前にCCOに就任したのですが、何も果たさないまま休みに入っていいのだろうかという不安やプレッシャーがありました。(2020年7月にCCO就任、2020年11月から産休)そんな中、周囲からは、「そんなこと気にせず、いってきてくださいよ」という寄り添いがあったことにはとても救われたことを覚えています。

平岡一番不安だったのは、自分が抜けた業務負荷が誰にいくのか、どう引き継いでいくのかということでした。不在にしている間、周囲のメンバーへ負担がかかってしまうことへの不安が大きかったですね。実際、当時の引き継ぎ先だったメンバーには負担をかけたと思います。

周囲からはどのようなサポートがありましたか?

上原業務に支障がでそうな場合にはあらかじめ相談するようにしており、それを問題なく受け入れてもらってたので助かっていました。不測の事態が発生することもありましたが、「家族優先で」とジャーマネに言っていただいていたのも心強かったです。

小倉チームの雰囲気、育児に際してのアドバイスをもらえたことが一番大きなサポートでした。

辻本当時はコロナ禍だったこともありフルリモートだったことは、体調面ではとても助けになりました。体調が悪くなってしまうことはどう頑張っても避けられないのですが、気持ちが悪くなってしまった時にカメラオフ、ミュートにして、休憩したりしていました。また、1on1の文化が根付いていることもあり、育休中にも「復帰前に1回話しておきましょう〜、お茶かねて1on1しませんか〜」という会社からの声もあり、社内と断絶しない繋がっている感じがあったのは復帰に向けてとてもポジティブに働きました。また、freeeには、それぞれのライフイベントを喜べる大前提があります。私は、結構産休を取ることに引け目を感じていたのですが、誰にもそんなことは言われませんでした。みんなが応援してくれたその雰囲気も大きなサポートになりました。

平岡本件に限らずカジュアルに相談できるカルチャーがあるので、人事やジャーマネへの相談に関しても心理的なハードルは全くありませんでした。また、チームとしても「育児へのコミットは応援しよう」という雰囲気があるので、周囲のメンバーも私が休んでいる間に発生するであろう困り事を想定してコミュニケーションしてくれましたし、引き継ぎ先のメンバーも積極的に動いてくれました。

柔軟な対応に助けられた復帰直後。

上原の写真

産休・育休の間はどのように過ごしていましたか?

上原1人目の子供がこども園に通っていて、降園後の公園遊びに付き合うなど今しかできない時間を過ごしてました。また、家族の料理・筋トレ・お出かけを楽しんだり、復帰を見越した生活のルーティン作りに向けた準備も進めてました。朝の方が自分の時間を作りやすいこともあり、朝型の生活リズムに移行し、家事の効率化ができるように1週間のメニューを大体決めたりしていました。せっかくなので勉強する時間も作って、英語や簿記の勉強にも取り組みました。

小倉最初の3ヶ月は、子供が3時間おきに起きて、ミルクを求めたりおむつを変えてほしくて泣いたりするので、妻と交代しながら育児をしていました。実際に生まれてくると自分の子供は本当に可愛いですね。その場その場だとあまり実感がないのですが、1ヶ月経つたびに写真を振り返ると顔立ちもどんどん変わって成長していきました。その過程に立ち会えた事は、かけがえのない経験になりました。3ヶ月の育休取得は、間違いなく正解だったと今は思います。育休の後も、歩き始めたり、単語を話し始めたりと、どんどん成長してできることも増えていきます。こういった子供の変化を楽しむ余裕は、育休をとってたからこそ感じられていたことだと思います。

辻本産休の間は人生最後の夏休みだよと言われ(笑)、本を読んだり、昼寝したり(臨月は本当に眠気が強かった)、子供用品を買いに行ったり、産後できなくなるだろう手の込んだ料理を作ったりしていました。一方で出産後は、病人みたいな感じでした。1ヶ月くらい体調が安定せず、パートナーや親の助けを借りながら、寝られるときはとにかく寝て身体の回復に努めていました。その後少しずつ、子供のサイクルができてくると、それに合わせてミルクをあげながら家事をしたり、一緒に散歩をしたり、買い物に行ったりするだけで一瞬で一日が終わる日々でした。出産前は、「3時間サイクルって余裕じゃん」などと思っていたのですが、いざやってみると、おむつを替えて、ミルクをあげて、また寝かしつけて、その片付けをして…とやっているとけっこう時間がかかり、すぐ次のサイクルが来るんですよね。日常を一生懸命まわしていた感じでした。

平岡1回目は、負担を減らすためにとにかくできることをやりました。2回目は、第一子のイヤイヤ期の対応が重要なミッションでした。イヤイヤ期については、言葉を話せないことが癇癪を起こす原因だと考えたので、興味を持っているものは何なのかひたすら観察を続けていました。興味を持ったものに関連した本を借りてきて読むことを繰り返していくと、面白いくらい語彙が増えて話せるようになっていったことには驚かされましたね。ちゃんと向き合えば答えてくれる子供を見て、人生において優先度をあげて大事にしたい時間だと改めて確認できました。

具体的にはどのように復職しましたか?

上原復帰前の面談でどういう役割で復帰するかを相談し、勝手を知っている領域で復帰することにしました。これまでの経験や領域での知見を活かして、力になれるであろう領域での復帰だったので、復帰はしやすかったです。実は復職直後に、子供が怪我で入院してしまうアクシデントがありましたが、原則週3日出社になっているところを、業務に支障がないように、在宅業務に調整してもらいました。このような柔軟な対応はとても助かりました。

小倉育休前と極端にチームの状況が変わったわけでもなかったので、復職自体はスムーズでした。育休期間中も余裕がない中で、なまらないように少しだけ勉強したりしていたので、それも影響していたかもしれません。

辻本元々は、キリよく7月1日復職予定だったのですが、慣らし保育があるため2週間ほどずらしてもらいました。育休期間中も時々ジャーマネと1on1で最近の様子を聞かせてもらったり、こちらの状況を伝えたりしていたので、やりとりは比較的スムーズでした。復帰の1週間前には稼働時間や仕事の進め方の相談もしました。その上で「その通りやれないこともあると思うから、一旦やってみて何かあれば言ってほしい」と言ってもらえたことは本当に有り難かったです。

平岡戻る時の障壁は一切ありませんでした。復帰してすぐにマーケティングチームへの異動の話があったのは少し驚きましたが、すごいスピード感で戻ることができたと思います。復帰の際に、周囲のメンバーから変に気を遣ってもらいたくなかったので、以前の忙しさに戻れたのは逆にありがたかったです。

復職後に変化を感じたことはありますか?

上原大きくはないです。組織的に人数が増えていたのが1番の変化でした。業務やタスクでいうと、復帰以前と同様に各個人が目標を持って進めるスタイルで、仕事の進め方は変わりませんでした。

小倉チームの人みんなが朝早く働く理由がわかるようになりました。子供ができたことで親としての自覚もはっきりと芽生えてきて、明確に自分のことよりも子供のことを考えるようになりました。ただ、家族優先とはいえ、欠けた分をそのままというのは違うので、朝早めに働いて取り戻すようにしています。また、ミーティングも送り迎えで欠席や遅刻する方がいましたが、それも子供が生まれて理解できるようになりました。

辻本当然ですが、シンプルに仕事に使える時間は減りました。これまではあまり仕事とプライベートが分かれていないタイプで、人生と仕事がシームレスでした。子供が生まれてからは、16:30くらいまでしか仕事ができないので、1日あたり3時間くらい仕事できる時間が減った感覚でした。常に途中で終わる、今日やろうと思っていたことが終わらないまま強制終了するしかなく、家に帰って続きをやることができない状況に最初は頭を抱えました。でも、前提条件の大きな変化を受け止めつつ、別のやり方を考えようと頭を切り替えましたね。

平岡育児で学んだことをマネジメントに活かせるようになりました。具体的には、何か起きた時は、こちらが向き合えていない可能性があると思えるようになって、イラッとすることが明らかに減りました。相手を理解しきることを大切にするようになりましたし、その深さが変わりました。また、それぞれのジャーマネやメンバーの良さを最大化できるにはどうしたらいいのかを考えるようになったのも変化でした。

freee最大のサポートは育児を応援する「雰囲気」

小倉の写真

freeeの育児サポートはどんなところが良いと思いますか?

上原自分自身が調整がつかない時に、家事代行を利用していました。元々使わなくても問題ないと思っていたのですが、困った時の一つの手段としてこのようなバックアップがあることは、とても助けになりました。

小倉根本的に、子持ちの方が多く理解のある人が多いという部分が大きかったですね。Slackの絵文字に「家族を大事に」というスタンプがあるくらい会社としてそういうマインドが根付いています。制度よりも、こういった雰囲気やカルチャーがあることが大きなサポートになりました。

平岡育休の取りやすさは、全く問題なかったです。これは、仕組みも重要なのですが「雰囲気」に救われた部分が大きかったですね。普通は言いづらいと思いますし、特に工夫しなければ事業的には損失になることが多いので、引き止めたいという力学が働くのは必然だと思います。でもそれを食い止めるのが雰囲気やカルチャーなんだと思います。freeeには、そんな雰囲気がありますね。だからこそ、育休や産休を取得する人がいたら応援したいですし、是非取得してほしいと思っています。

逆に現状の育児サポートで課題に感じていることはありますか?

上原freeeのサポートを実際には活用しきれていないのですが、活用できればもっと家事が楽になるんだろうと思います。あることを知らずに活用できていない人もいる可能性があるので、どんどん使ってほしいなと思いました。

小倉「家族を大切にしていい」という雰囲気がありつつも、仕事と育児の天秤の中でバランスを取るのは自分なので、復職した直後はそのバランスで悩みました。全く決まりがあるわけではないのですが、育児しながら働いている方は、私が先ほどお伝えしたような早朝スタイルに着地していきます。事前にそういう働き方があるということを知っていたらこの悩みはなかったかも知れません。私はそこで一番悩んだので、経験者から情報を得られる機会があると良いと思います。

平岡これは答えがないのですが、事業成果との両立をどう図っていくのか、という部分です。ビジネスインパクトを高いレベルで追い求めることが大切だと理解していますが、同時に個人の幸福として必要なタイミングで育休を取得することも大事だと思っています。ここの天秤をどう扱っていくのかは、永遠の課題ですね。また、一人当たりの裁量が大きいことの裏返しでもありますが、休む人の業務負担をどうしていくのかも課題ですね。どうしても一時的に負担がかかるメンバーは出てきてしまうので、どうサポートしていくのかは検討していくべきだと思います。逆にいうと課題はこれだけだと思っていて、そうなっている状況もすごいなと思っています。