『今話題のサブスクリプションって何が面白いの?』CFOに聞いてみたら、めちゃくちゃわかりやすく教えてくれた!
こんにちは、採用広報の西木です。
最近よく聞くSaaSビジネスやサブスクリプション。
これを読んでいる方の中にも、耳にしたことがある人はいるのではないでしょうか?
日本経済新聞社が発表した2018年の日経MJヒット商品番付にも、サブスクリプションが西の大関としてランクインしました。
正直、僕は3ヶ月前freeeに入社するまで聞いたことがありませんでした。
そして日々を過ごす中で「どうやらfreeeのビジネスモデルは、SaaSと呼ばれているものらしい」ということがわかってきました。
社内にも慣れはじめ、喋る人も増えてきたので、ここは一発「SaaSやサブスクリプションって何か解き明かしてみよう」と考え、CFO(最高財務責任者)のカレンダーに取材スケジュールを差し込んでみました。
そして、魅力と面白さを存分に語っていただきました。
知っている方も初めて聞いた方も、ぜひお楽しみください!!
(*ちなみにSaaSはサースと呼び、Software as a Serviceの略です。)
【CFOプロフィール】
東後澄人(とうごすみと)
兵庫県明石市出身。東京大学工学部卒。
同大学院では宇宙航空研究開発機構(JAXA)において次世代ロケット推進薬の研究を行う。
2005年にMcKinsey&Companyに入社し、IT・製造業界を中心とした多数のプロジェクトを担当。
2010年からGoogleにて中小企業向けマーケティング、及びGoogleマップのビジネス開発に従事。
2013年7月、freeeにCOOとして参画。現在はCFO。
趣味は卓球・ドライブ・ドラクエⅢ。
ーSaaSとはー
ーまずSaaSビジネスって、『月額いくらで使い放題』といったような継続課金ってイメージなんですが、合ってますか?
ゆるくは合ってますよ(笑)
SaaSは、必要な機能を必要なだけ使えるサービスの形を表していますが、わかりやすい特徴としてビジネスモデルが「サブスクリプション」型になっているということですね。簡単に言うと、サービスを提供し続けることに対して継続的に対価をいただくというモデルです。「売り切りモデル」ではないので、安定的なサービスの提供が求められる。だから継続課金になるんです。
ーなぜ徐々に流行ってきたと考えますか?
クラウドと相性が良いからだと思います。
クラウド上であれば、新しいサービスや機能を早いサイクルで提供し、それに対するフィードバックをダイレクトに受け取ることができる。そういった環境が整いつつあるので、それを活かしたモデルとしてSaaSがスタンダードになってきているという感じかな。
お客さん側でも、消費スタイルの変化がどんどん起こっています。
例えばNetflixのようなコンテンツ配信サービスが、かつての『DVDが作られる→店頭に並ぶ→各家庭へ』という流通を『会員登録→見たいものをクリック』というものに変化させて、それが当たり前になりつつある。そして面白い映像や話題の作品を増やしたり、オリジナルコンテンツを開発して会員登録(ファン)を増やし続けているんです。
こういったサービスが様々な領域で増えてきていることが、サブスクリプション型のサービスの利用を身近なものにしてくれていると思います。
ーSaaSの魅力ー
ーSaaSビジネスの魅力ってどんなところなんでしょう?
満足いただけるサービスを提供している限りは、プロダクトをずっと使ってもらえることですかね。結果としてライフタイムでの価値が上がるし、友達にも「これいいよ」って勧めていただきやすい。
一方で、価値が感じられなくなったら解約されてしまいます。だから、常にお客さんに価値が届いているかどうか問われているんです。そういう意味でずっと試されていますね。
ーずっと試されてるって、プレッシャーえぐいですね。苦しかったことはないですか?
いや、当たり前っちゃ当たり前ですからね(笑)価値を届け続けるのは、前提条件ですよ。
逆に、何でもいいから満足度低くても売れればいいっていうのはダメじゃないですか。もちろん、売り切りだったとしてもそんな考えの人はいないと思います。だからプレッシャー自体は、昔と今でも、SaaSとそれ以外でも、同じようにあると思いますが、特にそれが強く、わかりやすいということかな。
ー解約されないためには、どんなことが大事なんでしょう?
サービスをどんどん進化させていくことと、しっかりと使いこなしていただくこと、つまりカスタマーサクセスですね。
ーカスタマーサポートではなく、カスタマーサクセスというのはSaaSならではの言葉ですか?
もともとある概念だとは思いますが、SaaSのプロダクトが増えてたことで広く認知されるようになったんじゃないかと思います。継続的に利用していただくためには、『お客さんがサクセスしていること』が大事な要素になってきています。
つまり、freee流に言えば『マジ価値*1が届いているかどうかが大事』で、届いていないとお客さんも使い続ける理由がなくなってしまう。
(*1 5つあるfreeeの価値基準のうちの1つ)
例えば「会計freee」にも様々な機能がありますが、それを利用していただけないと意味がないので、「こんなこともできますよ」というのをちゃんと届けて、お客さんの課題を解決できるところまでいかないといけないですね。
ーそういえば、入社オリエンテーションで「freeeではスピードを大事にしている」って言ってました。それもSaaSが関係しているんですか?
もちろんです。なぜスピードが大事かっていうと、プロダクト開発やマーケットの潮流の変化のスピードが劇的に上がる中で、のんびりやっていると差別化できないからです。特にfreeeの場合は、スモールビジネスのプラットフォームを構築していくことで、将来より大きな価値を作っていきたいと思っています。そのためには、早く、出来るだけたくさんのお客さんにプロダクトを届けることが大事。それには一定の初期投資が必要ですけどね。
ー個人的な面白みー
ーSaaSビジネスの面白みを、どういうところに感じていますか?
僕の中では2つあって、1つは満足してもらえているかどうかダイレクトにわかること。売った後に、その後どうなってしまったかわからないものと比べると、どういう風に使ってくれているのかデータとして把握できるのは面白いですね。新しい機能を追加した時にお客さんの反応が具体的に見られたり、蓄積したデータを見ながらプロダクトを改善したり、直接的なフィードバックが次の開発に生かされるのがSaaSの強みかな。
ーもう一つは?
ビジネスとしての面白さです。簡単に言うと、安定している。
来月どれくらいの売り上げになるのか、再来月どれくらいになるのか予測しやすい。
ーそれって何となく良いことだとわかるんですけど、どんなメリットがあるんですか?
例えば、積極的な投資ができます。「これくらいの成長曲線だと、こんな感じになるよね」というのが見えてくるので、そこから予測して、どこにどれくらいコストをかけていいかわかる。投資家目線で考えても近い将来が描きやすいので、積極的な投資の意思決定がしやすいと思います。
ーありがとうございました。全くSaaSやサブスクリプションを知らなかった僕でも、かなり理解できました。
いえいえ、またわからないことがあれば、何でも聞いてください。
では、次の仕事の準備があるので、これで。
わかりやすい言葉で詳しく解説していただき、ありがとうございました。
濃密な30分になりました!!
SaaSやサブスクリプションの知識や理解は、これから採用に関する記事を書く上でも、社会や経済の流れを知る上でも、かなり役立つと思います。
僕にマジ価値を届けていただき、感謝しています。
そして、語ってくれたあと直ぐに「次の仕事がある」と言い颯爽と去ってゆく後ろ姿、とても格好良く見えました。
すぐに記事にまとめようとしましたが、実は今日はハロウィン。
書くのは今度にして、楽しむぞー!!と思っていると、
あれ? 会場の奥にいるのは、CFO!!
次の仕事の準備って、まさか、、、
これだったんかーーい!!
さすが!!プロフィールに「趣味はドラクエⅢ」と書いてい るだけある!!
勇者を完全に再現している!!
全力でハロウィンを楽しんでいる!!
やるときはやり、遊ぶときは遊ぶCFO。ギガデイン級の魅力やで!!
(ギガデインはドラクエ3の勇者が覚える最強の呪文)